現場が「見える」蔵衛門 建設AI技術で特許を取得
配筋リストをAIが読み取りデータ化!電子小黒板の作成時間を95%削減
“デザイン×アイデア×ITで すべての人を次の世界へ”をミッションとする株式会社ルクレ(以下、ルクレ)は、鉄筋コンクリート工事用の電子小黒板を自動作成するAI技術、「電子小黒板生成装置及び電子小黒板生成方法」で特許を取得しました。【特許番号6989884】
本技術は『e-Kokuban』として施工管理クラウド『蔵衛門』に搭載することにより配筋検査用の写真を準備する時間が約95%削減されます。※1 2022年春、実用化に向けて現在準備中です。
※1 当社調べ
現場が見える「蔵衛門」ブランドトップページ:https://www.kuraemon.com
お客様からのお問合せ「くらえもん☆オンライン」:03-4500-6702
開発背景
建設現場における工事写真撮影は小規模の現場でも何千枚にも及びます。これまでの工事現場では鉄筋コンクリート工事などの配筋リストから黒板への図の転記や、撮影項目の入力などの煩雑な作業が必要でした。作業は図面を読み取るノウハウが必要であり、また記入漏れなどの人的要因も発生していました。今回のAI技術により入力作業時間の実質0を実現。人的要因の課題も解決し、経験によることなく工事写真業務が行えるようになりました。本技術を通じて蔵衛門は人手不足・高齢化など建設業界が抱える課題の解消を目指します。今後も『蔵衛門』は「工事写真から始まる」現場のニーズに応えたサービス拡充を続け、建設業者500万人のための『蔵衛門』へと進化を続けてまいります。
新技術の特長
今回特許を取得したAI技術「電子小黒板生成装置及び電子小黒版生成方法」を搭載した『e-Kokuban』では特別な設定は一切不要、パソコンや蔵衛門Pad DXがあれば導入可能です。本技術は、PDF化された配筋リストから必要な豆図、テキスト項目をAIが自動的に判断し、電子小黒板を作成します。配筋リストの様式は設計会社ごとに微妙に異なりますが、以下の工夫を実施することで解決を図りました。
前処理として、Open CV等の画像解析系のフレームワークを活用して読み込んだ配筋リストのPDFを画像化し、ディープラーニングの入力層に適した処理を行います。その後はニューラルネットワークの入力層に投げ込み、畳み込みニューラルネットワークの畳み込み層や分類層に対しては、蔵衛門オリジナルのチューニングを複雑かつ適正に施します。この部分で電子小黒板として分類を完了させるディープラーニング処理を実行します。これにより人の手を介することなく電子小黒板を作成することに成功しました。今後は多くの配筋リストからの学習を行い、『e-Kokuban』の精度をさらに高めてまいります。
ルクレのAI技術
このほかにもルクレでは独自の画像解析技術から日本の子どもの写真に特化した顔認識AIを構築、スクール写真事業「みんなの写真屋さん」に搭載しています。この顔認識AI技術は機械学習のフレームワーク「TensorFlow(テンソルフロー)」や「scikit-learn(サイキット・ラーン)」等を独自チューニングで活用しクラスタリング分析を行います。この結果、世界的なクラウドサービスが提供する顔認識と比較し精度を20%近く上げることができました。そのほか、自然言語処理を活用した写真分析やTensorFlowLITEを活用したエッジコンピューティング等、今後もルクレらしさを追及して幅広いサービス展開をしてまいります。
※ 「蔵衛門」は、株式会社ルクレの登録商標です